静かに考える長い日。

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昨日。
ENBUフェスタという卒業公演の一つである「アメリカ」を見に行く。
THE SHAMPOO HATという劇団の人が演出していた。結論として、自分はこの作品には作品としての達成は見つけれなかったけど、滝沢佑果はひたすら客席の方を向いていて、その場を救う事が出来る笑顔を見せ続けていた。それは設定上の過去という時間軸において唯一残っている希望であり、現在という時間では、その滝沢佑果が演じた伊東という役がその場にはいなくなっていて、なにか行き場を失ってしまった船のようになってしまい、一応その家の主の姉という人物が現れるけど、曖昧な絶望(実は気持ち悪いくらいにはっきりとしていたけど)をあまりにも長すぎる時間漂わせていた。姉に付き添ってきた女の人が場を締めるような演技を一度見せるけど、すぐにそれは弛緩し始める。登場する彼女たちの劇団というものが、徐々に壊れていったものというよりも、最初から壊れているだろうというものとなっていて、あまりにもこいつらじゃ無理だろうという人たちが、設定に説得力を作れていないのがとにかく気になる。宗教勧誘をする二人組がいて、アンバランスなこの二人が出るとホッとしたりしていた。この二人は説得力があった。特に青いジャージの子が特異な存在感で場の空気を豊かなものにしていた。
とにかくしっかりとした笑顔を場に表出させてそこにいた伊東を見ていた。
ありがたい電話がある。本当に自分は恵まれていると思う。
そして一緒に鑑賞していて、この日実家に帰る小澤を新宿で見送る。一時、さらば。
よく分からないことが起きてしまい、色々と朝まで話す。頭に来て、冷静さを取り戻すのに時間がかかって、酷く疲れて憔悴してしまった。起きてユイタマの家に行く予定だったが、予定が変わり自分一人しかいないので、時間をあけてもらった家族に申し訳なくなって、どうしたらいいのか分からなくなる。とにかく顔合わせはなくなってしまい、部屋を確認させてもらって、お茶を出してもらって、帰るのだった。色々と予定を合わせるためにしてきた事があっという間に消えた。しかし食べさせてもらったチーズケーキはとにかく絶品だった。
公園の光景を見ながらいろいろと考える。編集の続きをやるにもこれほどにやる気が起きない日はない。今日は仕方がない。何もしない。本を読むよ。
とにかくこれで四月は終わったね。そして次だ。