黒と白と幽霊たち -2018-
バストリオ+松本一哉
黒と白と幽霊たち
金沢21世紀美術館 &21
2018年11月10日-11日|金沢21世紀美術館 シアター21
作・演出|今野裕一郎
出演
稲継美保
中野志保実
橋本和加子
今野裕一郎
演奏|松本一哉
衣装|catejina美術|黒木麻衣 、秋良美有
宣伝美術|新穂恭久、黒木麻衣
企画・制作・主催|バストリオ
共催|金沢21世紀美術館[公益財団法人金沢芸術創造財団]
後援|北國新聞社、北陸放送 エフエム石川、認定NPO法人金沢アートグミ
[概要]
金沢21世紀美術館公演では、地下にあるシアター21の天井部のカーテンを開け、美術館内を歩く来場客も、地上階からシアター内を覗き込める空間を作りだしました。覗き込む際の窓ガラスには、植物と劇中で使用されるテキストを用いた、黒木麻衣による美術が展示されました。また、地上から覗き込む人々を、シアター内から見上げることもでき、まるで劇中のテキストの冒頭にでてくる「真っ黒い池の中の鯉」になったような感覚を味わえます。そして、シアター内の空間には金沢市内を流れる犀川から大量に採取してきた石の配置、天井には白い天板を設置することでアプローチしました。いずれも秋良美有による美術です。さらに、金沢公演では新たに告鍬陽介の「catejina」による衣装も加わり、その美しく繰り返される螺旋のテキスタイルによって、出演者の存在が強く印象づけられました。
黒と白と幽霊たちを、金沢21世紀美術館に見にきていただきありがとうございます。
この作品は日本各地で多くのお客さんとの出会いを続けてきました。まさかこれほど何度も繰り返しやることになるとは初演の時は思ってもいませんでした。
初演は東京・谷中にある宗林寺というお寺でした。庭には黒い鯉が泳いでいました。白い積乱雲が空に浮かんでいました。SNSやネットを開くとシリアではテロが頻発しており、テレビでは天皇陛下がお気持ちをお話しされていて心を動かされたことを覚えています。
よく晴れた夏でした。溢れてきた自分の気持ちを丁寧に発してみようと考えてたら一気に本が書けました。それから信頼する役者たちとスタッフに支えられて上演が繰り返されています。
見ることや聞くことは大変なことです。とても気力や体力を使います。いつだって観客の皆さんには感謝しかないです。美術館でやるのは初めてです。美術館の皆さんの協力にも、またこの金沢でお客様と出会えたことを感謝しています。
今野裕一郎