バストリオ / Busstrio

パフォーマンス作品を制作するコレクティブ。2010年立ち上げ。メンバーは今野裕一郎(主宰/演出家/映画監督)、橋本和加子(パフォーマー/制作)、黒木麻衣(ペインター)、坂藤加菜(パフォーマー)、中條玲(パフォーマー/制作)。

生きていく中で出会うビビットな瞬間を、参加メンバーと共有することで多視点的に捉え直し、“個人”と“他”の関係性を自覚的に扱った小さなシーンへと立ち上げるクリエイションを行う。上演は様々なメディア(音/光/身体/テキスト/小道具/映像/演劇)を用いることで断片的な時間を構成し、いくつもの行為・出来事・モチーフをバラバラのまま配置する。現実世界と同じように偶然隣り合った存在たちのあいだで、意味の重なりとズレを何度も引き起こすことによって、“名付けようのない生”を描き出す。上演に帯びる独自のグルーブは音楽的と評価され、存在そのものを肯定するような祝祭的な時間は、観客の想像力を喚起し世界を捉える視点に奥行きをもたらす。

2016年初演の『黒と白と幽霊たち』が2018年度金沢21世紀美術館芸術交流共催事業「&21」に採択。同作は、初演より継続して全国ツアーを行っており、これまでに15都市で上演した。2019年には吉祥寺シアターに招聘され、地域創造プロジェクトとして『オープン・グラインドハウス』を実施。2022年より知床で開催の「葦の芸術原野祭」において実行委員を務め、2023年には土地に根ざしたパフォーマンス作品『葦の波 part1』を制作。そのほかドキュメンタリー映画の制作、東京都足立区で演劇を用いた教育活動の一環として行った小学生対象のワークショップ「こどもえんげき部」などそのジャンルレスな活動は多岐にわたる。