ハロー、スーパーノヴァ

ハロー、スーパーノヴァ

Nippon Connection 2015 Nippon Visions 出品作品

2014年|88分|カラー|HDV


監督・脚本・編集・撮影

今野裕一郎


音楽

杉本佳一(FourColor/FilFla/Vegpher)


出演

牛尾千聖

小林光春

上村梓

小澤薫

宮崎晋太朗

齊藤庸介

橋本和加子

松倉如子

矢沢誠

山﨑友博

ホベルト・マックスウェル


撮影|中村太紀

録音|澤田栄一、橋本和加子

照明|逵真平

記録写真|松下壽志

題字・ウェブ|児玉悟之

プロデューサー|鈴木徳至

企画・製作|バストリオ


2014年2月22日 – 28日池袋シネマ・ロサにて上映


特設サイト


hello_supernova_poster

これは恋に落ちる前のはなし。

女は町を彷徨っていた。

遠くからやってきた旅人、単色で絵を描いている男、眼帯をした警察官、矮鶏、変なうたを唄いながら町中を走り回る少女。

それぞれお互いの呼吸を確かめ合うように、出会い、別れる。

そして動き始めた世界のなか、光はやってきて大爆発するのでした。




別の機会にも書いたことがあるが、僕が最初に観たバストリオは映画だった。それから少し経ってから、 彼らの演劇を観た。ごく大雑把に言うと、映画は具体的で現実的な場所と人々の生活と日常が物語られており、対して演劇においては寓話的というか箴言的というか逸話的というかそのような不思議な世界が描き出 されていた。そしてこの両輪があって、バストリオはバストリオなのだ、というのが僕の了解だった。だがこの新作映画では、彼らが演劇において丁寧かつ大胆に追究してきたものが、たくさん持ち込まれている。 もちろん以前の映画が持っていたday to dayの感覚も、ちゃんと残っている。だからここへきて、バストリ オは遂に(と言うのかな?)ひとつの大きな表現に取り組み始めたのだ、そんな気がしている。おおらかさと厳しさーーそれはこの世界を生きるのに必要不可欠な二大要素だと僕は思うがーーが、この映画のそこここに光っている。

佐々木敦(批評家)