ちちち

バストリオ#11

ちちち

2023年4月27日-5月2日|SCOOL


写真|小泉柊介


原案|山下澄人『壁抜けの谷』(中央公論新社)
作|黒木麻衣、今野裕一郎、坂藤加菜、中條玲、橋本和加子、よだまりえ
音作|高良真剣、本藤美咲
演出・音・照明|今野裕一郎


音響|岡村陽一
宣伝美術|乗田菜々美(デザイン)、kurokimai(絵)
WEB|橋本和加子
企画制作|橋本和加子、中條玲


トークゲスト | 佐々木敦
原作朗読|山下澄人
Special thanks|川村喜一、川村芽惟、中村洋子
企画・主催|バストリオ


会場|SCOOL



[概要]


『ちちち』は山下澄人『壁抜けの谷』を原案に制作したバストリオの11作目の本公演。本のなかに出てくる会話と記憶の螺旋、そして山下氏との共通点である北海道という土地を作品の一つの要素に、バストリオがこれまで培ってきた日記や散歩という日常と地続きの素材をもとに作った発表をブリコラージュして作られた。




声がした、名前を呼んでいた
だれの?
木は木であることを忘れた
木は二、三個続けて夢をみた
これは勝手に人間が思ったこと
人間は人間のことを人間のために忘れた
北へ
荒野には白い犬がいた、ジョンではない
犬に右腕を噛まれたわたしはまったく違う人間になった
たくさんの 星がみえた
人間は思った、「だれやねん」
犬は言った、「笑え」と―。


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『ちちち』特設サイト

[コメント]


安藤朋子(アクター)


『ちちち』を観て


いろんなものが等価に置かれて在る。
紙にペン、文字と絵、映像、着るもの食べるもの、工具やらバケツやら・・・


固体、液体、気体のカオスの中、
紙くず、燃え殻、捨てられた果実の皮までも輝き出し、
吐き出す行為さえ美しい。


あらゆるものが楽器になり、クラリネットは言葉を喋り出す。
音楽だ。
塞がれていた私の耳が冴えはじめる。


野放途な人たちが突然響き合い、ゾクッとする。
ゾクゾクゾクゾク


遊び呆けた後の残骸の光景をいつまでも見ていたかった。