#2

絶対わからない

2011年6月23日 – 26日|千駄木・Brick-one


作・演出・映像
今野裕一郎

出演

狗丸トモヒロ

小澤薫

上村梓

児玉悟之

小林光春

今野裕一郎

佐々木キミテル

二村香央里

橋本和加子

平石はと子

堀咲恵(映像出演)


衣装|irishcream(安食真 告鍬陽介)

舞台監督|磯村令子

照明|井坂浩

音響・宣伝美術・web|児玉悟之

演出助手・音響オペ|澤田栄一

演出助手|木谷行江、迫尻弘

記録写真|松下壽志

記録映像|早稲田大学映画研究会

制作協力|尾原綾、滝沢佑果

制作|とやまりき

協力|公益財団法人セゾン文化財団 絶対安全ピン

主催|バストリオ


特設サイト


機械が置いてある。
それはもう動くことはない。そこには男女がいる。 機械が動くのをただ待っている男、動かしてくれるのを待っている女、女が濡れるのを傘で守る覆面の男、彼に会うために旅をつづける女、村に住む親切で孤独な男、役者の彼を愛している元アイドルの女、鹿になりきろうとする不器用な男、子牛や地蔵や猟師へと変化する女、牛を飼う天使のような男、そしてバーバ・ヤガーと名乗るもの。それらの者たちはここにいるが、理由はわからない。
その村の近くの森の中には誰もが知っているけど、ほんとは皆がよく知らない存在がいて、でもそれを神話のように語り、生み出したのは人だった。そして、自分だった。


今野裕一郎です。

映画をつくったり、舞台をつくったり、写真を撮ったりします。

きょう見にきてくれたお客さんに、なにか言いたい事があるのかを探しながらこの挨拶を書いてみようとおもっています。

まずは、感謝の言葉しかないです。ありがとうございます。とにかく自分の家からこの場所まで会いにきてくれる人がいるということが、単純に驚きだったりします。そりゃ宣伝もしてるし、だってお前が呼んだんじゃないかって感じかもしれませんが、皆さんに会えることに驚いているのは本当です。俺はつくります。自分の作品をつくります。やる、ってことを選んでいるのです。いつも、その決断を大事にしている。そして作品に会いにきてくれる人たちと、このすぐに消えてしまう一瞬を味わいたいと思っています。


そろそろ「絶対わからない」について書きます。

作品にはテーマがありました。恋愛です。

わからなくなりながらも、最後はそこに戻ってきました。自分が大切に想っている人のことを考えてつくりました。大切なその人に気付いてもらえなくても、返事がこなくても、想いが届かなくても、ひたすらその人のことを考えてつくる。俺はそれを選びます。勝手ですね。

そして、雨のことも。

天気は人との距離を考えるきっかけになりますね。雨の音が聴こえると、その人が濡れないようにといつも心配していました。とにかくいつもその人のことを想っています。そしてそれが作品になります。そういう感じです。

絶対わからない。

勝手な作品ですので、勝手なことを自由に感じて、勝手に見て欲しいです。

たぶん、そこにはそれぞれの自由があります。

いろいろと言いたいことがありすぎて、わからなくなってきましたが、とにかくありがとうございます。ぜひ楽しんでください。

おわり。

今野裕一郎(出典:当日パンフレット)



「大切な人の側にいることはとても難しい。

列車に乗れば会えるじゃない、と子どもたちは家を出て、電話をすれば届くじゃない、と恋人たちは離れている。会えない誰かを近づけるためにつくられたはずのものが、いつのまにか会いたい人との距離を広げている。

私達の世代にとって『絶対わからない』は人事ではない。

お芝居が何度も断絶されながら前へ前へと進んでいく、繋がっていく不思議。

誰かを想う気持ちがものを動かすという原始的な力が溢れる空間。

それらを目前にして、じわりじわりと誰かへの思いが高ぶる。

アナログテレビがうつらなくなり、大きな天災が起こった。 奇しくもそんな年に生まれた作品ではあるけれど、もっと昔からじっくりと蓄積された思い、

「もの」と「大切な人」と「ある場所で生きる」ということについて今野さんがずっと考えてきたことなの だと思います。

田崎恵美(映画監督)


その日はとても暑い日で、初めて行く街はなんだかワクワクさせてくれた。路地を曲がり普通の民家の様 な場所。よくわからないけど田舎のおばあちゃんの家に来た気持ちになった。

席に着くと役者ととても近く、というかほぼ同じ空間にいるので緊張した。

2011年はいろんな事があった。本当にいろんな事があったのでそれを無視する事はとてもできない。それ を呼吸してどう吐き出すか。僕は観ている間とても心地良かった。終わり。

やついいちろう(エレキコミック)