Trailer

ハロー、スーパーノヴァ

これは恋に落ちる前のはなし。
女は町を彷徨っていた。
遠くからやって来た旅人、単色で絵を描く男、
眼帯をした警察官、矮鶏、変な歌を歌いながら町中を走り回る少女。
それぞれお互いの呼吸を確かめ合うように、出会い、別れる。
そして動きはじめた世界のなか、光はやってきて大爆発するのでした。

コメント

佐々木敦
(批評家・早稲田大学教授)

別の機会にも書いたことがあるが、僕が最初に観たバストリオは映画だった。
それから少し経ってから、彼らの演劇を観た。
ごく大雑把に言うと、映画は具体的で現実的な場所と人々の生活と日常が物語られており、対して演劇においては寓話的というか箴言的というか逸話的というかそのような不思議な世界が描き出されていた。
そしてこの両輪があって、バストリオはバストリオなのだ、というのが僕の了解だった。
だがこの新作映画では、彼らが演劇において丁寧かつ大胆に追究してきたものが、たくさん持ち込まれている。
もちろん以前の映画が持っていたday to dayの感覚も、ちゃんと残っている。
だからここへきて、バストリオは遂に(と言うのかな?)ひとつの大きな表現に取り組み始めたのだ、そんな気がしている。
おおらかさと厳しさーーそれはこの世界を生きるのに必要不可欠な二大要素だと僕は思うがーーが、この映画のそこここに光っている。

『ハロー、スーパーノヴァ』によせて

中村一義
(音楽家)

未来も現在も過去も混ぜこぜにした表現ができたのは映像の強みだし、そして今野さんの才能だなって思う。
一見ファンタジーって思われる世界を有用することで、自分のリアリズムを届けようとする姿勢がきびしくもあるんだけど、やさしいなと思う。きびしいってことはやさしいんだなってことがホントに痛感させられたかな。
僕自身もそういう表現形態をとるし。モノを創ってる人間として、今野さんたちのような人がいることはすごくホッとしますね。今後も楽しみにしています。

『生きている』によせて

横浜聡子
(映画監督)

大人たちと子どもたち。みなの目の前には、きっと「今」しかない。
今しかないからこそ、なにかに執着しながらも、忘れてゆく。
執着と忘却の間、大人と子供の間を、皆がふわふわと行ったり来たりしていて他の人には見えないその”間”を見ている監督は、おでこに第三の目を持っているのだろうと思いました。

『信じたり、祈ったり』によせて

About

撮影 今野裕一郎 中村太紀
録音 澤田栄一 橋本和加子
照明 逵真平

記録写真 松下壽志
題字・ウェブ 児玉悟之
宣伝美術 千葉絵理

プロデューサー 鈴木徳至
企画・製作 バストリオ

2013年|88分|カラー|HD

監督・脚本・編集:今野裕一郎

1981年生まれ。
横浜国立大学経済学部中退後、京都造形芸術大学映像・舞台芸術学科に入学。大学で出会ったドキュメンタリー作家の佐藤真氏、劇作家・演出家の宮沢章夫氏に師事する。
2010年より自身が主宰するパフォーマンスユニット”バストリオ”において舞台作品を多数発表すると同時に自身の住む”北千住”を舞台にした映画を撮り続けている。
類いまれな感性と圧倒的な主観によるオリジナリティ溢れる作風は批評家の佐々木敦氏や映画監督の横浜聡子氏、音楽家の中村一義氏にも認められる。今作『ハロー、スーパーノヴァ』で満を持して初の劇場公開を遂げる。

音楽:杉本佳一

FilFla、FourColor、Vegpherなどのサウンドプロジェクトや映画/映像、演劇、エキシビジョンへの楽曲提供・制作、TVCM等の広告音楽を手掛けるサウンドアー ティスト/コンポーザー。
2004年カンヌ映画祭では宮崎淳監督による「FRONTIER」が監督週間おいて「若い視点賞」、2006年フランス・エクスアンプロヴァンス映画祭ではドイツ人監督Timo Katzによる「Whirr」が「オリジナル映画音楽部門賞」を受賞。
http://frolicfon.com/

町を彷徨っている。は出張で家を留守にすることが多い。夕方になるとお気に入りの珈琲屋に行くのが日課。


牛尾千聖

遊園地再生事業団のメンバー。2004年から京都にて「マレビトの会」(主宰:松田正隆)の作品に出演し俳優を始める。太田省吾、松田正隆、宮沢章夫らの作品に出演。
バストリオ作品には演劇作品『わかる気もする』以来の出演となる。

鳥夫

部屋にこもって黒で静物画を描いている。小学校の頃、絵のコンテストで入賞して褒められたことがある。


小林光春

京都造形芸術大学映像・舞台芸術学科卒業。監督の同級生で数少ない友人の一人である。バストリオ作品のいくつかに出演している。

旅人

遠いところからやってきた。住むところを探しており、この町について調査している。植物のことが気になっている。


上村梓

1986年3月19日 神奈川県出身。桜美林大学文学部総合文化学科卒業。平田オリザらに舞台芸術を学ぶ。卒業後は、フリーの役者として活動中。
主な出演作品に、飴屋法水演出『3人いる!』、『顔に味噌』、遊園地再生事業団『トータル・リビング1986-2011』、チェルフィッチュ『現在地』などがある。バストリオの作品にも多数出演している。

唄子

変なうたを歌いながら町中をかけ回っている。パンを盗んだり、公園の水道の蛇口を全開にしたりする。


小澤薫

京都造形芸術大学映像・舞台芸術学科卒業。監督の同級生。バストリオ作品のいくつかに出演している。身長が低い。

警官

眼帯をしている。町のことを一番よく知っており、旅人を案内する。本当に警官なのかどうか定かではない。


今野裕一郎

リサイクルショップの男

鳥夫の幼なじみ。サラリーマンを辞め、家業を手伝っている。鳥夫が描くためのものを調達している。


宮崎晋太郎

早稲田大学卒業。うどん屋の息子。「悪魔のしるし」や「core of bells」の作品によく参加している。バストリオ作品には『Rock and Roll』以来の出演となる。

アイスの男

コンビニの前でアイスを食べている。食に対しては強いこだわりを持っている。


齊藤庸介

ダンスカンパニー「東京ELECTROCK STAIRS」メンバー。会社員。監督の数少ない友人の一人。バストリオの映画作品にはほとんど出演している。

経済を語る女

公園でタバコを吸いながら経済新聞を読んでいる。関西人。走るのが異常に速い。


橋本和加子

バストリオのメンバー。京都造形芸術大学映像・舞台芸術学科卒業。在学中には映画を多数製作する。
卒業後は役者として活動をはじめ、演劇作品では宮沢章夫、前田司郎、岡田利規、矢内原美邦らの作品に参加。バストリオ作品ほぼ全てに出演するとともに、フリーの役者として活動している。

鳥屋の女

「鳥信」のアルバイト店員。じつは有名なミュージシャンらしい。ブログはこちら。


松倉如子

昭和55年、大阪府生まれ。熊本、愛知、山口、京都を6年周期で過ごす。京都の大学でデザイン、映像、舞台芸術を学んでいたが、卒業制作の一人芝居で初めて歌を作り、音楽の道を行くことを決意。

車の持ち主

とても狭い家に住んでいる。最近車を購入し、近い職場にわざわざ車で通勤している。よく鍵をかけ忘れる。


山崎友博

稚内北星学園大学情報メディア学部情報メディア学科卒業。劇団ひまわりを退社したのち、ENBUゼミナール監督×俳優コラボレートコース(篠原哲雄クラス)にて演技を学ぶ。卒業後はフリーの役者として活動。バストリオ作品ほぼ全てに出演している。

移民

ブラジルからやってきたが、仲間に置いていかれ日本に残ってしまった。最近、大金を手に入れたらしい。


ホベルト・マックスウェル

ブラジル人映像作家・ジャーナリスト。『生きている』に出演している。

町を彷徨うの夫。最近出張が多く、部屋に一人で残している妻のことを心配している。


矢沢誠

俳優。2014年、チェルフィッチュの新作に出演。

特別上映

『ハロー、スーパーノヴァ』公開記念、今野裕一郎監督作品連続上映

生きている

2010年|62分|カラー|DV
監督・脚本・編集 今野裕一郎
音楽 kanina
出演 太田順子 橋本和加子 佐藤拓道 サブリナ・ヘルマイスター ホベルト・マックスウェル 深堀絵梨 齊藤庸介 南波典子

川沿いの町には一軒の珈琲屋がある。
そこにはおばあから店を受け継いで一人で日常を過ごしている聡美がいる。
探し物が得意な彼女には習慣があった。
その町に砂漠からやってきた夏子が現れる。
長い旅で力を使い果たした夏子は、聡美によって助けられ生命力を回復していく。
偶然の出会いが何でもない日常をあたらしくする。
それは一人では得られないものだった。

信じたり、祈ったり

2010年|31分|カラー|DV
監督・脚本・編集 今野裕一郎
出演 渡辺結子 渡辺珠子 齊藤庸介 太田順子 今野裕一郎 渡辺優子 渡辺航

姉のユイコと妹タマコの姉妹が街に住んでいる。
ユイコは塾が始まって勉強が忙しい。だからタマコは一人で遊んでいる。
行ってはいけない河原でゴミを集めるタマコは機械の部品を見つける。
それをUFOのかけらだと信じるタマコは皆に話すが信じてもらえない。
夜にタマコは家を抜け出す。起きたユイコは部屋で心配して待っている。
彼女たちは信じたり祈ったり、流れていく特別な時間。

3人、

2013年|カラー|DV
監督・撮影・編集 今野裕一郎
出演 佐藤拓道 佐藤典子 佐藤麓

ふたりの時間。出産。家族が増える。生活はつづく。いつまでもつづく。

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上映時間・劇場

2014年2月22日(土)〜2月28日(金)
レイトショー
連日 21:00〜
@池袋シネマロサ

チケット

特別鑑賞券 ¥1,000 絶賛発売中
当日券 ¥1,300
3回券 ¥2,700

問い合わせ

info@busstrio.com

上映スケジュール/イベント

  • 22日(土)『ハロー、スーパーノヴァ』
    監督、出演者舞台挨拶
  • 23日(日)『ハロー、スーパーノヴァ』
    上映後トーク
    ゲスト:佐々木敦さん(批評家/早稲田大学教授)
  • 24日(月)『生きている』『信じたり、祈ったり』
    kaninaミニライブ
  • 25日(火)『ハロー、スーパーノヴァ』
    上映後トーク
    ゲスト:横浜聡子さん(映画監督)
  • 26日(水)『3人、』
    上映後トーク
    ゲスト:宮沢章夫さん(劇作家/演出家/小説家)
  • 27日(木)『ハロー、スーパーノヴァ』
    松倉如子さんミニライブ
  • 28日(金)『ハロー、スーパーノヴァ』
    監督、出演者舞台挨拶

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-37-12

池袋駅西口のロータリーの右斜め前方、三菱東京UFJ銀行のすぐ左の先にコンビニ(ファミリーマート)があって、そこに大きなアーチのかかったロマンス通り商店街があります。
ロマンス通りの中に入って約メートル程先の左側にロサ会館があり、そのロサ会館を回り込んだ角に映画館の受付入口があります。池袋西口駅前の地上に出てから徒歩3分ほどです。


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