20170831

IMG_6094

いま仙台にいる。書いているのは実家のリビング、仙台駅から車で30分くらい離れたところに建つ一軒家の中だ。
庭の手入れを手伝ったり、山形に行ったりと、ゆっくり休んでいる。

今月の前半は、8月15日の東京公演まで『黒と白と幽霊たち』をあちこちでやっていた。
様々な状況で上演を重ねた役者や演奏者がタフになっていく上演を喜びながらも、更新することの難しさと抗う日々だった。引っかき傷のようなノイズは気づかぬうちに馴染んで消えていくので、自ら思ってもみないところでみっともない音を出して抗ってみたり、作品に対する思考を詰めることや共有がままならない部分があった橋本のパートを浮き上がらせる、8月6日、9日、15日が日本に漂わせている気配を、存在するものでなく、ここに存在しないものの存在感として浮き立たせていくために、気配を運ぶことに苦心し、消耗する本番が多かった。「初演メンバー」と「橋本、今野」が相反していく基軸を見つけようとやってみて、可能性というものは上演の時に発生するものだけでなく、前準備の段階で発見していくことが重要なんだな、という再確認ができた上演だった。共有していくためには、捉われていく思考を奪い去るために必要なことがある。
またいつかやるかはわからないけど、これまで「黒と白と幽霊たち」は全15回、8都市、10会場で上演した。
どこまでも現実と向き合っていく作業だけが繋がっている。そこに演劇がある。

それからあっという間に時間が流れて、8月が終わろうとしている。
9月からはオーディションをやって、11月に新作演劇を上演する予定だ。
北千住BUoYとのご縁はまた続く、何をやるかはわからないけれどきっとやることをやるんだと思う。