20161117

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バストリオ『わたしたちのことを知っているものはいない』を、京都と東京の二都市で上演しました。
すごいペースで生み出してきて、ここで一つ、遠いものと向き合うことは何よりも大きな挑戦だったのですが、
素晴らしい役者たちとスタッフの皆さんによって、このようなものになったか、という達成がありました。
日々、役者たちによって強くなっていくのを見ました。
お客さんで来ていただいた方々も、気にしてくださった方々もありがとうございました。

この作品によって捉えようとしたものは初めから茫漠としており、それをフィクションで積極的に埋めようとはしませんでした。
そのとき引き寄せてしまうことになるであろう私性に繋げることなく、断絶したまま、それでも進んでいくタイムラインと身体がありました。ここで一度向き合うべきものだと考えてやりました。
この上演の反応は見事に分かれたようで、どんな反応であってもありがたいです。演劇と関係ない人たちのアンケートの反応はありがたいものばかりでした。わざわざ終わってから僕に「面白かった」と話しかけてくれる知らない方々がいたことは励みになります。この上演が演劇初心者には伝わらないとかありえないのは、いつも演劇関係者のお客さんが少ないバストリオは知ってますし、観客の想像力には常に期待してます。いろんな考えを持つ他者と出会うということが大事です。そこに、特別な知識などいりませんし、上から目線でいる必要もありません。身内笑いがあふれる劇場に用はありません。外に出ていくために必要な一歩目です。
ここからどうなるかわかりませんが、この上演ができて関係者の皆さんには感謝しかありませんし、特に役者は素晴らしかったです。アフタートークで来ていただいた、批評家の佐々木敦さん、そして映画監督の三宅唱さん、刺激的な面白い話ができて嬉しかったです。ありがとうございます。会場オーナーである京都のオオニシさん、桜台のシミズさん、お世話になりました。
このようなかたちで本公演をまたやるかどうかはわかりませんが、どこかでお会いできるように、新しい時間を始めます。

そして、すでに動いてます。
これから稽古です。
4都市ツアーで日本の西へと向かいます。浜松、京都、小倉、大分でやります。松本一哉さんと役者たちと回ります。大分舞台芸術フェスティバルへと参加するためです。やるのは夏にやった『黒と白と幽霊たち』です。各地の皆さん、よろしくお願いいたします。